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歴史年表で見るアロマテラピー

アロマテラピーの歴史を年表形式でご覧いただけます。
アロマテラピー検定試験にもお役立てください。

アロマテラピー主な歴史

アロマテラピーに関わる主な歴史や人物とその業績を年表形式でまとめております。

欧米西・中央・南アジア東アジア(中国・日本)
紀元前
3000
古代エジプト文明
芳香植物は薫香(お香)と浸剤(ハーブティーやハーブオイル)などが主流。ミイラ作りに乳香(フランキンセンス)没薬(ミルラ)などの植物が用いられる。

アーユルヴェーダ
インド、スリランカの伝統療法で3000年以上の歴史。医学・宇宙観・自然観を含む哲学でもある。賛歌集「リグ・ヴェーダ」(1500〜1000頃)の中に源流。
1000 ヒポクラテス(460頃〜375頃)
古代ギリシアの医学者。西洋医学の基礎を築き、「医学の父」と呼ばれる。マッサージの重要性を説く。

テオフラストス(373頃〜287頃)
古代ギリシアの哲学者。アリストテレスの弟子。植物の分類や系統だった研究を行い、「植物誌」を著し、「植物学の祖」と呼ばれる。
ソロモン王とシバの女王の逸話
旧約聖書」の中に、アラビア南部の国シバの女王がイスラエルのソロモン王に贈った宝物の中に、乳香(フランキンセンス)白檀(サンダルウッド)などの香料があったといわれる。

アレキサンダー大王(356〜323)とヘレニズム文化
東方遠征でアケメネス朝ペルシア帝国を滅ぼし、中央アジア、インド北西部にいたる広大な世界帝国を実現。その後、東西の交流から「ヘレニズム文化」が生まれる。この頃、東西のハーブやスパイスが交易品として取引される。

クレオパトラ(69〜30)
美貌や教養だけでなく、香料を用いて異性を魅了。バラの花を愛す。
紀元1 プリニウス(23〜79)
古代ローマの博物誌家。大規模な自然誌「博物誌」全37巻を著す。

皇帝ネロ(37〜68)
古代ローマ皇帝。バラ好きで有名。バラの香油を身体に塗ったりしていた。

ディオスコリデス(40〜90)
古代ローマの医学者。ローマ帝国で軍医として働いた。「薬物誌(マテリア・メディカ)」を著し、その複写本「ウィーン写本」は有名。

ガレノス(129頃〜199)
古代ローマの医学者コールドクリームなどの製剤法の創始者。動物の解剖は行ったが、人体の解剖は行わなかった。
「新約聖書」の逸話
イエス・キリスト誕生の際に東方の三賢人が黄金、乳香(フランキンセンス)、没薬(ミルラ)をささげたというくだりがある。乳香と没薬は「神の薬」を意味する。
「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」(2〜3世紀)
東洋の薬草学書。中国では薬物について書かれた本を本草書という。

「神農本草経集注(しんのうほんぞうきょうしっちゅう)」
陶弘景(456〜536)が「神農本草経」を再編し、今日に伝えられている。
500 サレルノ医科大学(10世紀)
イタリアの港町サレルノは、ヒポクラテスの町とよばれるほど医学で有名だった。ここで使用された「サレルノ養生訓」は、ヨーロッパ全土にもたらされた。1140年、シチリア王によって医師の国家免許ともいえる制度がはじめられ、医師開業に制限が加えられるようになった。
イブン・シーナー(980〜1037)
アラビアの哲学者・医学者。ラテン名でAvicennaアヴィセンナ、アヴィケンナ、アウィケンナとも呼ばれる。「現存するものはすべて必然的である」という存在論を唱える。蒸留法により芳香蒸留水を製造し医学に応用。「医学典範(カノン)」を著す。
1000 十字軍の遠征(1095〜1291)
地中海世界の文化交流を促した。東西のハーブや薬草、アラビアの医学や精油蒸留法などがヨーロッパに伝えられた。

ハンガリー王妃の水(14世紀)
ハンガリアンウォーターとも呼ぶ。エリザベート1世が手足の痛む病気にかかり、修道僧がローズマリーなどを使用した痛み止め薬を献上したところ良くなり、隣国の王子が求婚したというエピソードがある。「若返りの水」として評判が立つ。

大航海時代(1380〜1600)
スペインやポルトガルなどの国々が新しい領土の発見と香辛料の直接取引を目的に、航路を探し求めた。
1500 ジョン・ジェラード(1545〜1612)
イギリスのハーバリスト。ロンドンのホルボーンに薬草園を開く。「本草または一般の植物誌」を著す。

ジョン・パーキンソン(1567〜1650)
イギリスのハーバリスト。チャールズ1世に仕え、「広範囲の本草学書」を著す。大西洋を渡った著として有名。

ニコラス・カルペパー(1616〜1654)
イギリスのハーバリスト。新大陸への移住者が好んで携帯した「the English Physician」を著す。自らの健康は自らが守ることを主張。薬草やハーブの知識だけでなく、占星術なども取り入れていた。

ヨーロッパの香料産業はじまる(16〜17世紀)
イタリアやフランスのプロバンス地方で柑橘系の植物から香料が作られはじめた。特にフランス南部プロバンス地方のグラースは香水の町として知られ、現在も香水生産では世界一。
ルイ14世時代の産業の育成政策として香水産業がおこなわれた。当時の香水は液体ではなく、香りつきの皮手袋として貴族の間で流行した。(※合成の香料が使われはじめたのは19世紀の終わり頃から。)

ケルンの水(17世紀)
イタリア人のジョヴァンニ・パオロ・フェミニスがドイツの町ケルンで「オーアドミラブル=すばらしい水」を販売。通称「ケルンの水」と呼ばれ好評を博す。世界最古の香水であり、1742年に「オーデコロン」として商標登録する。胃薬としての役割もあった。
1800 ルネ・モーリス・ガットフォセ(1881〜1950)
フランス人化学者。化学実験中に火傷を負った際、治療にラベンダー精油を使用して、著しい効果があげたというエピソードがある。1937年に「aromatherapie」を著す。「アロマテラピー」はガットフォセが造語したもの。

マルグリット・モーリー(1895〜1968)
オーストリア人。フランスで活躍した生化学者精油を植物油で希釈してマッサージするという方法を示し、精油を使った心身の美容と健康法という新しい考えを取り入れた。1961年に「Le capital ‘Jeunesse’(最も大切なもの・・・若さ)」を出版し、美容の国際的な賞である「シデスコ賞」を受賞。のちに英訳され、イギリスのアロマテラピーに大きな影響を与えた。(※イギリスにおけるホリスティック・アロマテラピーのもととなった。)

ジョバンニ・ガッティとレナート・カヨラ(20世紀)
イタリア人医師精油の治療的効果と神経系への作用、スキンケアへの応用などの分野で共同研究を行う。

パオロ・ロベスティ(20世紀)
ミラノの植物誘導体研究所所長。イタリアにあるオレンジ、ベルガモット、レモンなどの柑橘類の精油と加工品が、神経症やうつ病に有効であることを発見。香りの神経科の臨床例としては世界最初。

ジャン・バルネ(1920〜1995)
フランスの軍医。第二次世界大戦で軍医として従事し、負傷者たちに精油から作った薬剤を用いて治療を行った。抗生物質の使用に疑問を感じ、軍籍を離れた1964年「AROMATHERAPIE」を著す。「役に立つこと」「科学的領域にとどまること」に重点をおき、アロマテラピー啓蒙に力を尽くした。

シャーリー・プライス、ロバート・ティスランド(1960〜1980年代)
イギリスでアロマテラピースクールを開設し、多くの専門家たち(アロマセラピスト)を育てた。


鳥居鎮夫
東邦大学名誉教授。香りの心理効果の研究。随伴性陰性変動(CNV)という特殊な脳波を用いて、ラベンダーやジャスミンの香りの鎮静作用や興奮作用を実証。1986年イギリスで開催されたシンポジウムで実験結果を発表。

非営利団体「日本アロマテラピー協会」(AAJ)設立(1996)
アロマテラピー検定をはじめ、各種資格認定制度を創設。国際的にも有数のアロマテラピー団体のひとつとして知られる。
2000 環境省所轄の「社団法人日本アロマ環境協会」(AEAJ)設立(2005)
アロマテラピーを普及する日本で唯一の公的な法人。自然との共生を大切にしながら、自然の香りある心豊かで、心地よい環境(いわゆる良好なアロマ環境)づくりを積極的に推進する活動を展開。
(※AAJはAEAJの設立に伴い解散)
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